光回線を申し込んだあと、多くの人が同じ場所でつまずきます。「工事は3週間後です」と言われた瞬間、その3週間のネットをどうするのかという問題が急に立ち上がってくる。引越し直後なら、まだ荷ほどきも終わっていないのにスマホの電波だけが頼り、という状況です。
ここで焦って適当なポケット型WiFiを2年契約してしまうと、開通後に「使わないのに毎月4,000円」という一番もったいない形が残ります。逆に、つなぎのことを光回線を申し込む前に考えておくと、費用がゼロで済むこともあります。
つなぎの選択は「あと何週間か」×「月に何GB使うか」の2軸で決まります。①申込前なら、開通前の無料レンタルがある光回線を選ぶのが最安(実質0円) ②待ちが1〜2ヶ月・データ少なめならテザリングか短期レンタル ③2ヶ月超または家族で使うなら縛りなしのWiMAX。2年契約のポケット型WiFiだけは、つなぎ目的では選ばないでください。
まず「あと何日待つのか」を確定させる
つなぎの正解は待ち期間で変わるので、最初にここを固めます。申込時に伝えられる工事日がすべてです。まだ申し込んでいないなら、下の目安で計画してください。
| 契約パターン | 開通までの目安 | 繁忙期(2〜4月) |
|---|---|---|
| 転用・事業者変更 (光コラボ間の乗り換え) |
数日〜2週間 | ほぼ影響なし |
| 光コラボ 新規 (ソフトバンク光・GMOとくとくBB光など) |
2週間〜1ヶ月 | 1〜2ヶ月 |
| 独自回線 新規 (auひかり・NURO光など) |
1〜2ヶ月 | 2〜3ヶ月 |
| 建物への引き込みが必要なケース | 2ヶ月以上 | 読めない |
※ 2026年8月時点の一般的な目安です。建物の状況・地域・工事業者の空きで大きく変わります。実際の日程は申込後の連絡で確定します。
ポイントは「転用・事業者変更ならつなぎはほぼ不要」という点。すでに光コラボを使っていて別の光コラボに乗り換えるだけなら、切替日に自動で移行するので、ネットが止まる時間はごくわずかです。この場合はつなぎWiFiを検討する必要すらありません。手順は乗り換え完全ガイドにまとめています。
屋外工事の追加が必要になった、建物の管理会社の許可待ちになった、といった理由で日程が伸びることは珍しくありません。つなぎの期間は予定+2週間で見積もっておくと、延長料金や再契約で慌てずに済みます。
待ち期間×データ量で選ぶ早見表
ここがこの記事の中心です。「待ち期間」と「その間に使うデータ量」の2つで、答えはほぼ決まります。
| 状況 | 月20GB以内 (スマホ中心・単身) | 月50GB以上 (在宅勤務・家族・動画) |
|---|---|---|
| 〜2週間 | テザリングで乗り切る 追加費用0円 |
開通前の無料レンタル or 短期レンタル |
| 2週間〜1ヶ月 | テザリング or 短期レンタル |
開通前の無料レンタル 対象なら実質0円 |
| 1〜2ヶ月 | 短期レンタル 5,000〜10,000円程度 |
短期レンタル or 縛りなしWiMAX |
| 2ヶ月超・未定 | 縛りなしWiMAX | 縛りなしWiMAX そのまま本命化も視野に |
この表で一番言いたいのは、右上と真ん中に「開通前の無料レンタル」が入っていることです。つまり、データ量が多くて待ちが長いという一番つらいパターンほど、光回線の選び方でコストをゼロにできる余地が大きい。順に見ていきます。
一番おすすめ:開通前の無料レンタルを使う
意外と知られていませんが、開通までの機器を無料で貸してくれる光回線があります。代表格がソフトバンク光の「開通前レンタル」で、Airターミナル(ホームルーター)またはPocket WiFiを、開通までの間、原則無料で借りられる制度です。NURO光にも同様の無料レンタルがあります(2026年8月時点)。
- 費用が実質0円:短期レンタルの5,000〜10,000円がまるごと浮く
- データ量の心配が小さい:ホームルーター型なら家族で使っても足りる
- 工事が延びても延長される:開通までが対象期間なので、日程がずれても追加費用が発生しにくい
- 申し込みが1本で済む:別の会社と契約しないので、解約忘れのリスクがない
ここから導かれる結論はシンプルで、まだ光回線を決めていないなら「開通前レンタルの有無」を選定条件に入れるべきということです。月額が200円安いA社と、開通前レンタルがあるB社なら、1ヶ月半待つ前提ではB社のほうが総額で有利になることがあります。
開通後の返却期限を過ぎると、機器代金を請求される規約が一般的です。開通日に返却キットの手配までセットで片づけてください。また、申し込みが自動ではない点にも注意。光回線を申し込んだだけでは付いてこないので、申込時か開通前に自分で手続きが必要です。
ソフトバンク・ワイモバイルのスマホを使っているなら、セット割との相性も含めて第一候補になります。
ソフトバンク光のキャンペーンを見る違約金負担・キャッシュバックの条件はこちら※ 開通前レンタルの対象条件・返却期限は申込時に必ずご確認ください。乗り換え手順はソフトバンク光への乗り換えガイドで解説しています
短期レンタルWiFiの相場と注意点
申込先に無料レンタルがない場合、次に検討するのが短期レンタルです。空港や旅行者向けでおなじみのサービスを、そのまま自宅用に使うイメージです。
| 期間 | 費用の目安 | 向き・不向き |
|---|---|---|
| 1週間 | 1,500〜3,000円程度 | 最も割安。短い待ちには最適 |
| 1ヶ月 | 4,000〜8,000円程度 | 相場の中心。無制限系はやや高め |
| 2ヶ月 | 8,000〜15,000円程度 | ここから月契約と拮抗しはじめる |
| 3ヶ月以上 | 割高になりやすい | 縛りなしの月契約のほうが有利 |
※ 2026年8月時点の一般的な相場です。端末の世代(4G/5G)・データ容量・返却方法で幅があります。
短期レンタルで確認すべき3点
-
延長したときの単価
工事が延びたときに1日いくらで延長できるか。日額が高いサービスだと、2週間の延長で当初費用を超えることがあります。
-
データ容量と速度制限のルール
「無制限」表記でも、3日で◯GBを超えると制限がかかる設計が残っています。在宅勤務で使うなら1日あたりの上限を必ず確認してください。
-
返却の締切と方法
「返却日」がポスト投函日か、業者に届いた日かで実質の期限が変わります。延滞金は日割りで高額になりがちです。
縛りなし回線を「そのまま本命」にする手もある
待ちが2ヶ月を超える、あるいは工事日がまだ確定していない——このパターンでは短期レンタルの延長を繰り返すと割高になります。ここで効いてくるのが契約期間の縛りがないWiMAX(ホームルーター/モバイル型)です。
- 解約金がないので、光回線が開通したその月に解約できる
- データ容量が実用上たっぷりあるので、家族で使っても破綻しにくい
- 申込から数日で届くため、工事待ちの穴をすぐ埋められる
- 実質月額は4,000〜5,000円前後が目安(2026年8月時点・窓口による)
そしてもうひとつ、この選択にはあまり語られない副作用があります。つなぎのつもりが、そのまま本命になるケースです。
- 使ってみたら速度に不満がなかった(在宅勤務のWeb会議も問題なし)
- 工事の立ち会いが面倒になった/工事日がさらに延びた
- 光回線の月額と比べて、ホームルーターのほうが総額で安かった
- 2〜3年で引越す予定があり、工事を伴う契約を避けたくなった
特にオンラインゲームや大容量ダウンロードを日常的にしないなら、ホームルーターで足りてしまうことは実際にあります。逆にPingの安定性が要るなら光回線を待つ価値があるので、そこはWiMAXのホーム型とモバイル型の選び分けや工事不要WiFiの比較で判断材料を確認してください。
開通したら解約、気に入ればそのまま継続。どちらにも転べるのが縛りなし契約の強みです。
BIGLOBE WiMAXのキャンペーンを見る申込特典と月額割引の条件を確認できます※ 契約期間・解約金の条件は窓口ごとに異なります。申込前に必ずご確認ください。窓口の違いはWiMAXプロバイダ比較で詳しく解説しています
テザリングで足りる人・足りない人
「追加費用ゼロ」という点で、テザリングは常に最初に検討する価値があります。ただし向き不向きがはっきり分かれます。
| 用途 | 1時間あたりの目安 | テザリングでの現実性 |
|---|---|---|
| Webブラウジング・SNS | 0.1〜0.3GB | 問題なし |
| 動画(標準画質) | 0.5〜1GB | 1日1〜2時間なら可 |
| 動画(4K・テレビで視聴) | 5〜7GB | 厳しい |
| Web会議(カメラON) | 0.5〜1.5GB | 週に数回なら可・毎日は厳しい |
| ゲーム機のアップデート | 1本で10〜100GB | 不可に近い |
※ 画質・アプリの設定で大きく変動します。数値は一般的な目安です。
判断の分岐点は「テレビとゲーム機をネットにつなぐかどうか」です。スマホとノートPCだけならテザリングでかなり粘れますが、テレビで動画配信を見はじめた瞬間に容量は一気に溶けます。家族の人数分のスマホがぶら下がる場合も同様です。
データ無制限のプランでも、テザリング(データ共有)だけは月◯GBまでという上限を設けている場合があります。契約中のプランのテザリング枠を、乗り切る前に確認しておいてください。上限に達すると極端に低速化し、Web会議は事実上できなくなります。
つなぎ選びで損する4つの落とし穴
落とし穴1:2年契約のポケット型WiFiを契約してしまう
最も多い失敗です。「月額が一番安かったから」で選んだ結果、開通後の1年半以上、使わない回線に払い続けることになります。つなぎ用途では月額の安さではなく、解約金の有無で選んでください。
落とし穴2:端末を「購入」してしまう
ポケット型WiFiやホームルーターには端末を分割購入する契約形態があります。途中解約すると端末の残債が一括請求されるため、数ヶ月で解約する前提のつなぎには最悪の相性です。レンタル型か、端末費用が発生しない契約を選びます。
落とし穴3:キャンペーン目当てで長期契約に流れる
キャッシュバックは魅力的ですが、受け取り条件に「12ヶ月継続」が入っていることがほとんどです。つなぎで解約すればキャッシュバックは受け取れず、解約金だけが残ります。
落とし穴4:光回線の開通後、解約を忘れる
これは実害が長く続くタイプの失敗です。光回線の開通日を決めた時点で、つなぎ回線の解約手続きをカレンダーに入れる。月末締めのサービスが多いので、締日の数日前に設定しておくと1ヶ月分を無駄にせずに済みます。
- 申込先の光回線に開通前レンタルがあるか確認したか
- 契約期間の縛り・解約金はゼロか
- 端末はレンタルか(購入・分割になっていないか)
- データ容量と速度制限のルールを読んだか
- 工事が延びたときの延長単価を確認したか
- 開通日が決まったら解約日をカレンダー登録したか
よくある質問
光回線の開通までどれくらいかかりますか?
開通までのWiFiを無料で借りられる光回線はありますか?
短期レンタルと月契約、どちらが安いですか?
スマホのテザリングで乗り切れますか?
つなぎ回線をそのまま使い続けてもいいですか?
賃貸で工事の許可が下りず、そもそも光回線を引けません。
まとめ:つなぎは「光回線を選ぶ段階」で決まっている
- まずあと何日待つのかを確定させる(転用・事業者変更ならつなぎ不要)
- まだ申し込んでいないなら、開通前レンタルがある光回線を選ぶのが最安
- 待ち1〜2ヶ月なら短期レンタル、2ヶ月超・未定なら縛りなしWiMAX
- データが少なく期間も短いならテザリングで追加費用ゼロ
- つなぎ用途で2年契約・端末分割購入は避ける。開通日が決まったら解約日も登録する
申込先そのものをまだ決めていないなら、光回線7社比較で本命を先に固めるほうが結果的に早いです。引越しに伴う開通待ちなら、引越しのネット回線ガイドのスケジュール表と併せて読むと、そもそも待ち期間を短くできます。
- ソフトバンク「開通前レンタル」サービス案内(2026年8月確認) — 開通までのAirターミナル/Pocket WiFi貸出制度
- ソフトバンク「光回線の工事にかかる費用や期間」(2026年8月確認) — 開通工事の期間の目安
- 各WiMAXプロバイダ・レンタルWiFi事業者の公式料金ページ(2026年8月確認) — 実質月額・レンタル相場
- 各社公式のデータ通信量目安(動画・Web会議の消費量) — 本文の数値は一般的な目安として幅で記載