光回線の広告は月額料金を大きく出しますが、実際に最初に出ていくお金は月額だけではありません。契約事務手数料と工事費があります。
そして多くの窓口が「工事費実質無料」と書いています。この「実質」の2文字が曲者で、無料になっているわけではありません。仕組みを知らないまま途中で解約すると、思わぬ請求が来ます。
初期費用は契約事務手数料3,300円+工事費(戸建て約22,000円・マンション約16,500円)が基本です。「工事費実質無料」は工事費を分割払いにして、同額を毎月割引で相殺する仕組みです。割引は契約が続いている間だけ続くので、分割が終わる前に解約すると残りが一括請求されます。総額は「月額×利用月数+事務手数料+工事費残債−キャッシュバック」で見てください。
初期費用の内訳
新規で光回線を引くときにかかるのは、大きく2つです。
| 項目 | 金額の目安(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| 契約事務手数料 | 3,300円 | ほぼ全社共通。割引されることは少ない |
| 工事費(戸建て) | 約22,000円 | 分割払いが基本(多くは24〜36回) |
| 工事費(マンション) | 約16,500円 | 同上 |
| 開通前レンタルWi-Fi | 0円〜 | 窓口によって無料貸出あり |
建物にすでに光回線の設備が入っていて、部屋まで配線が来ている場合は「無派遣工事」になり、費用が2,000〜3,000円程度で済むことがあります。作業員が来ず、機器を送ってもらって自分でつなぐだけです。マンションでは珍しくありません。
「実質無料」の仕組み
「工事費実質無料」は、工事費が請求されないという意味ではありません。実際にはこうなっています。
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1. 工事費が分割で請求される
例:22,000円を36回払い→毎月約611円が請求に乗ります。
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2. 同額が毎月割引される
毎月約611円の割引が入り、差し引きゼロになります。これが「実質」の中身です。
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3. 分割が終わると割引も終わる
36ヶ月使い切って、はじめて工事費の負担がゼロになります。
つまり「分割回数だけ使い続ける」ことが無料の条件です。ここが「無料」と「実質無料」の違いです。
途中解約したときの残債
36回払いのうち12ヶ月で解約すると、どうなるか。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 工事費(22,000円の36回払い) | 月611円 |
| 12ヶ月で支払い済み | 7,332円 |
| 残り24ヶ月分 | 14,668円が一括請求 |
| これに契約解除料が加わる場合 | +数千円〜 |
割引も同時に止まるので、相殺されずに残りがそのまま残債になります。短期で乗り換えるつもりなら、この点は必ず計算に入れてください。
引っ越しの予定がある、転職で住む場所が変わるかもしれない——そういう状況では、工事費の分割期間そのものがリスクになります。GMOとくとくBB光は契約期間の縛りと違約金がなく、月額も戸建て4,818円・マンション3,773円と最安級です。
総額の出し方
窓口を比べるときは、月額だけでなく次の式で出してください。
(月額 × 使う予定の月数)+ 3,300円 + 工事費の残債 − キャッシュバック
ポイントは「使う予定の月数」を正直に入れることです。3年住む前提なら36ヶ月、2年で引っ越すかもしれないなら24ヶ月で計算します。24ヶ月で計算した瞬間、36回払いの窓口は工事費の残債が乗って順位が変わります。
キャッシュバックは受け取り条件も確認してください。受け取り手続きの案内が10ヶ月後にメールで一度だけ届く、という設計の窓口があります。受け取れなければ総額はその分増えます。詳しくは光回線の乗り換え完全ガイドに手順を書いています。
初期費用の差より、スマホのセット割のほうが金額としては大きくなります。ドコモのスマホを使っているなら、セット割の対象になる光回線はドコモ光だけです。窓口はキャッシュバックが手厚いGMOとくとくBBを選べます。
初期費用を抑える方法
- 無派遣工事になるか確認する——建物に設備があれば2,000〜3,000円程度で済みます。申し込み時に「宅内に光コンセントがあるか」を伝えると判定が早くなります
- 他社の違約金を負担するキャンペーンを使う——乗り換えなら、前の回線の違約金と工事費残債を負担する窓口があります
- 分割回数の短い窓口を選ぶ——24回払いなら、36回払いより早く負担がゼロになります
- キャッシュバックの受け取り時期を確認する——早いほど確実です。翌月受け取りと12ヶ月後では、受け取れる確率が変わります
工事そのものが不要な選択肢
賃貸で許可が下りない、すぐ使いたい、短期で引っ越す——このどれかなら、工事のいらない機種のほうが総額で有利になることがあります。工事費も工事費残債も発生しないためです。
| 光回線 | ホームルーター | |
|---|---|---|
| 初期費用 | 3,300円+工事費 | 3,300円程度(端末代は別) |
| 使えるまで | 2〜4週間 | 数日 |
| 速度の安定性 | 有線で安定 | 電波状況による |
| 引っ越し時 | 撤去・再工事 | 持っていくだけ |
SoftBank Airはコンセントに挿すだけで使えて、ソフトバンク・ワイモバイルのスマホならセット割の対象になります。ただし2026年12月1日から月額が330円改定される告知が出ているので、総額は改定後の金額で計算してください。
よくある質問
工事費は分割と一括どちらが得ですか?
契約事務手数料は交渉で無料になりますか?
無派遣工事かどうかは事前に分かりますか?
引っ越すときも工事費はかかりますか?
キャッシュバックで初期費用は取り返せますか?
まとめ
- 初期費用は事務手数料3,300円+工事費(戸建て約22,000円/マンション約16,500円)
- 「工事費実質無料」は分割払いを毎月の割引で相殺する仕組み。無料ではない
- 分割が終わる前に解約すると残債が一括請求される。割引も同時に止まる
- 総額は「使う予定の月数」を正直に入れて計算する
- 建物に設備があれば無派遣工事で2,000〜3,000円に収まることもある
- 短期・引っ越し予定があるなら、工事のいらない機種のほうが総額で有利になる場合がある
- NTT東日本・NTT西日本「フレッツ光」工事費・契約事務手数料の案内(2026年8月確認)
- 各光コラボ事業者の重要事項説明・料金ページ(2026年8月確認)
- ソフトバンク「SoftBank Air」料金ページ — 2026年12月1日からの月額改定の告知(2026年8月30日確認)
- 工事費・手数料は建物の状況と事業者により変わります。本文の金額は一般的な目安で、確定額は申し込み時の見積もりでご確認ください