「工事なしで使えるホームルーターにしたいけれど、ゲームができないと困る」。この質問はとても多く、そしてできる・できないの二択で答えると必ず外れます。
同じオンラインゲームでも、必要な通信品質はジャンルによって10倍以上違うからです。まず何が効くのかを整理します。
判断の軸は速度ではなくPing(応答速度)。ホームルーターのPingはおおむね30〜60msで、光回線の10〜20msより明確に遅く、時間帯によって揺れます。RPG・シミュレーション・協力プレイは実用範囲、対戦格闘やランク帯のFPSは厳しいというのが現実的な線引きです。
速度ではなくPingで決まる
「下り300Mbps出ています」という数字は、ゲームの快適さをほとんど説明しません。オンラインゲームが送受信しているのは操作情報という極めて小さなデータで、必要な帯域は数Mbpsもあれば足りるためです。
効くのはPing(応答速度・レイテンシ)。自分の操作がサーバーに届いて返ってくるまでの往復時間で、単位はms(ミリ秒)です。この数字が小さいほど、ボタンを押してから画面が反応するまでの遅れが少なくなります。
| Ping値 | 体感 |
|---|---|
| 〜15ms | 競技レベルでも問題ない |
| 15〜30ms | ほぼすべてのゲームで快適 |
| 30〜50ms | アクション以外は問題なし。FPSは違和感が出はじめる |
| 50〜80ms | 対戦系は不利。協力プレイやRPGは可 |
| 80ms〜 | 対戦系は厳しい。ラグを感じる場面が増える |
もうひとつ大事なのがジッター(Pingの揺れ)です。平均40msでも、瞬間的に150msまで跳ねる回線は、安定して60msの回線より体感が悪くなります。
ホームルーターのPing実測の目安
ホームルーターは携帯電話の電波を使うため、光回線より経路が長くなります。実測の集計値を見ると、次のような傾向になります。
| 回線 | Pingの目安 | 揺れやすさ |
|---|---|---|
| 光回線(IPv6) | 10〜20ms | 小さい |
| ドコモ home 5G | 30〜50ms | 中 |
| WiMAX +5G | 30〜60ms | 中 |
| ソフトバンクエアー | 40〜70ms | 大きめ |
※ 実測の集計値をもとにした執筆時点の目安です。エリア・時間帯・設置場所で大きく変わります
光回線との差はおおむね20〜40ms。この差が問題になるかどうかが、そのまま向き不向きの境界になります。
ジャンル別の向き不向き
| ジャンル | ホームルーター | 理由 |
|---|---|---|
| RPG・シミュレーション | 問題なし | コマンド入力が中心で応答速度の影響が小さい |
| 協力プレイ(PvE) | ほぼ問題なし | 相手はNPC。多少の遅延は吸収される |
| MMO | 実用範囲 | レイド戦のシビアな場面でだけ気になることがある |
| FPS・TPS(カジュアル) | 条件つきで可 | 遊べるが、撃ち合いで不利になる場面がある |
| FPS(ランク帯) | おすすめしない | 数十msの差が勝敗に直結する |
| 対戦格闘 | 厳しい | フレーム単位の入力が要求される |
| クラウドゲーミング | 条件つきで可 | Pingに加えて安定した帯域が必要 |
「ランク帯で勝ちにいくFPS」と「対戦格闘」の2つに当てはまるなら、ホームルーターは避けたほうがいいです。逆に言えば、それ以外のジャンルなら実用になります。ここを曖昧にしたまま契約すると後悔します。
ホームルーターが不利になる理由
- 電波の経路が長い — 端末→基地局→コアネットワークと経由が増える分、往復時間が伸びます
- 混雑の影響を受ける — 同じ基地局を周辺の利用者と共有するため、夜間に遅くなりやすい
- 電波状況で揺れる — 設置場所や天候でPingが変動します
- NATの制限 — 一部のゲームで「NATタイプ厳しい」と判定され、マッチングしにくくなることがあります
最後のNATタイプは見落とされがちです。ホームルーターは共有IPを使う構成が多く、ポート開放ができないため、P2P接続を使うゲームで不利になることがあります。
今すぐできる改善策
1. 有線で繋ぐ
最も効果が大きい対策です。Wi-Fi経由だと数ms〜10ms上乗せされ、揺れも増えます。LANポートのあるホームルーターを選び、ゲーム機は有線接続にしてください。home 5G・WiMAXのホームルーターにはLANポートがあります。
2. 設置場所を変える
窓際・床から1m以上・基地局のある方角。この3つで実測が改善することがあります。電波強度の表示が最大になる位置を探してください。
3. 5GHz帯を使う(無線の場合)
2.4GHz帯は電子レンジやBluetoothと干渉します。ゲーム機は5GHz帯に繋いでください。
4. 時間帯をずらす
21〜24時は最も混雑します。この時間帯だけPingが倍近くになるなら、それは回線品質ではなく混雑の問題です。
GMOとくとくBBのホームWi-FiはLANポートを備えており、ゲーム機を有線でつなげます。同じWiMAX回線でも窓口によって実質月額が変わるため、条件の確認から始めるのが得です。
GMOとくとくBBホームWi-Fiの条件を見る実質月額と特典を確認できます※ 窓口ごとの実質月額の比べ方はWiMAXプロバイダ比較で解説しています
光回線に切り替える境界線
次のどれかに当てはまるなら、ホームルーターではなく光回線を検討してください。
- 対戦格闘、またはランク帯のFPSを本気でやる
- 配信をしながらプレイする(上りの帯域と安定性が要る)
- 家族が同時に動画を見ていてもPingを保ちたい
- 「NATタイプ」の警告が出て、マッチングに支障が出ている
逆に、賃貸で工事の許可が取れない、数年で引っ越す予定がある、といった事情があるなら、ホームルーターで運用しながら遊べるジャンルを選ぶという判断も十分に合理的です。工事ができない場合の選択肢は賃貸で光回線の工事ができないときの対処法にまとめています。
WiMAXは同じ回線でも窓口で実質月額が変わります。BIGLOBE WiMAXは特典が月額割引型で、受け取り忘れが起きないのが利点です。
BIGLOBE WiMAXのエリアと料金を見るピンポイント判定とお試し利用の案内※ エリア判定の見方はWiMAXのエリア確認方法で解説しています
よくある質問
Ping値はどうやって測れますか?
Ping30msなら快適ですか?
5G対応なら光回線並みになりますか?
クラウドゲーミングは使えますか?
ゲーム機を有線でつなげますか?
まとめ
- 判断軸は速度ではなくPing。ホームルーターは30〜60msが目安
- RPG・協力プレイは実用範囲、対戦格闘とランクFPSは厳しい
- 有線接続が最も効く改善策。LANポート付きを選ぶ
- NATタイプの制限でマッチングに支障が出ることがある
- 配信・ランク帯・同時利用が多いなら光回線に切り替える
ホーム型とモバイル型で迷っているならWiMAXはホームルーターとモバイル型どっち?、工事不要の3社を比べるなら工事不要WiFiおすすめ比較へ。
- みんなのネット回線速度(ユーザー実測値の集計・2026年8月確認) — 回線種別ごとのPing中央値
- 各社公式サイトの端末仕様ページ(2026年8月確認) — LANポートの有無と対応規格
- Ping値の体感区分は一般的な目安であり、ゲームタイトルやサーバーの所在地によって変わります